小さいころから「母の背中」を見ながら歩いて来た。恐らく、世の多くの男性にとっては、「父の背中」になるのだとは思うが、僕にとって、それは「母の背中」だ。
母は、父との離婚後、それこそ女手一つで子供たちを育ててきた(僕の家族は、父・母に加えて姉が2人いる)。当初、僕は、父と一緒に暮らしていたのだが、父の仕事の関係で、徐々に母と暮らすようになった。
今でも思い出せる当時の母との記憶は、遊んでもらった、料理を作ってもらったといういかにも”母らしい”ものではなく、母が自宅で下着や化粧品を販売しているというものだった。当時の幼かった僕は当然ながら、意識することもなかったが、今思えば相当に辛い生活であったことは想像に難くない。
母は、個人事業主として、その日の生活費を、それこそ死にものぐるいで稼いでいたのだ。
しかし、日々大変な思いをしていたであろう母がいつも言う言葉が耳に残っている。
もちろん、これは起業のみに当てはまる言葉ではなく全てのことに通ずる話ではあるが、上記を起業という形で実現している母の影響を少なからず受けてきた。そして、成長するにつれて、僕は自ずと、自分の選択肢の中で「起業」というものを意識するようになっていた。
少し前に、「セレンディピティ」という言葉が流行ったが、僕は前回のブログで紹介したように、幸運にもメンズコスメの可能性に触れることができた。そして、この幸運を活かして、母が言う「ビジネスの楽しさ」、これを感じるため、起業という選択肢を取ることにした。
幼い頃から「母の背中」を見てきた僕は、「母の背中」を追い越すことを誓って。