システムエンジニアといえばどういうイメージだろうか。皆が皆、そんなわけではないと思うが、誤解を恐れずにいうと、僕は以下のようなイメージを持っている。
・内向的
・あまりしゃべらない
・電話よりメール派
・(良い意味で)オタク
いわゆる寡黙な職人さんというイメージだ。
こんな僕の(凝り固まった)イメージを刷新してくれる井上という仲間が加わった。彼は、僕と同じ大学・学部を卒業後、不動産会社にて個人営業をしていたが、その後、一念発起し、システム開発のベンチャー企業に転職した。僕とは、大学卒業後もご飯を食べに行ったり飲みに行ったりするような仲だった。
当時、HOLO BELLでは、商品開発やマーケティングについてどういった戦略をとるのかという点は山口、松原ともよく議論していたのだが、ウェブサイトをどうしようという点については一向に話が進んでいなかった。僕たちは、インターネットを通して商品を提供しようと考えていたのだが、この状況は流石にまずいと思い、井上にウェブサイト開発についてざっくばらんに聞いてみた。
僕:メンズコスメを提供する会社を立ち上げようと準備してるんやけど、ウェブサイトの開発をどうするのか全然わからなくて、ちょっと教えてくれへん?
井上:へぇ、メンズコスメね。面白そうだね。ウェブサイトの開発って、委託しないの?
僕たちは、余分なコストを抑えるため、漠然とではあるが、ウェブサイト開発は内製しようと考えていた。
僕:細かいところは決まってないんだけど、内製の予定で考えてるよ。
井上:へぇ、作るんだ。HTMLやCSS、Javascriptは誰が書くの?そもそもサーバーサイドの開発はだれがするの?サーバーサイドだとPHPとかのコードが必要になるよね。
中学生になったばかりの頃、英語という未知の言語に出会ったときの衝撃を思い出した。そして、わけのわからぬまま、とりあえず回答した。
僕:ようわからんけど、僕がやろうかな・・・
井上:・・・
しばらくの沈黙が続いたあと、井上が戸惑いを隠せない表情で、
井上:て、手伝ってあげようか・・?
僕:よろしく頼む!
あまりにも劇的な流れだが、もともと井上はベンチャー気質の性格で新しく何かを作るということが好きだった。それゆえ、こういう機会を面白いと感じてくれたのかもしれない(?)。
そして、井上がメンバーに加わってからのHOLO BELLは、業務に一層の具体性が備わった。彼は、冒頭で述べた通り、僕のシステムエンジニアのイメージとは全く異なり、不動産営業で学んだ抜群のコミュニケーションスキル、歯切れのいいトークでシステム開発にあたる業務要件を手際よく整理してくれた。また、エンジニアらしいロジカルな思考で業務の穴を着々とカバーしてくれるのだ。
(想像以上によく喋るため、衝突することも多々あるが・・笑)
徐々に徐々にではあるが、こうしてメンバーも集まってきたし、事業開始の準備も整ってきた。もちろん、まだまだ失敗だらけではあるが、少しずつモノになっていく実感が湧いてきた。