メンズコスメ市場って魅力的? ~メンズコスメ市場概況~

メンズコスメの可能性を信じて、起業を決めた僕だが、1つの壁にぶち当たった。家族や友人の誰に話しても以下のような質問が返ってくるのだ。

「メンズコスメ市場って魅力的?」

 

確かに、僕自身は、第1回目ブログでメンズコスメの可能性に触れ、十分にその魅力を感じているのだが、それを人に説明するとなると、確かな数字とロジックが必要となる。そこで、その壁を乗り越えるべく、僕はまず総合企画センター大阪が2016年6月に発表した「2016年メンズコスメの市場分析調査」レポートを読んでみることにした。

「メンズコスメって何があるの?」
「そもそもメンズコスメって市場はあるの?」

 

といった質問に応えられるように、少し固い文章ではあるが、メンズコスメ市場の魅力について自分なりに表現してみた。

そもそもメンズコスメとは?

メンズコスメの市場について述べる前に、「そもそもメンズコスメとは?」という点について整理する。メンズコスメとは大別すると①フェイス②ヘア③ボディの3つの分野にわかれている(女性を含めると、いわゆるファンデーション、アイラインといった商品のあるメイク市場があるが、メンズコスメ市場においては未だ市場が形成されていないため、割愛する)。

例えば、化粧水や乳液、シェービング後に塗るクリーム等は、フェイス分野になるし、ワックスやシャンプーはヘア分野、石鹸・ボディーソープや制汗スプレー等はボディ分野となる。なお、各分野の代表的な企業とブランドとしては以下のようなものがある。

分野 企業 ブランド
フェイス 資生堂 ウーノ
マンダム ルシード
ヘア マンダム ギャツビー
アンファー スカルプD
ボディ 資生堂 エージーデオ24
ニベア花王 エイトフォーメン

 

メンズコスメの市場規模と企業・ブランド別販売シェア

では、メンズコスメの市場について述べたい。まず、2015年度のメンズコスメの市場全体は、約1,560億円となっている。また、それぞれの分野における市場規模は、フェイスが約388億円、ヘアが約1,018億円、ボディが約154億円となっている。なお、2013年度からの推移をみてみると、下図に示す通り、メンズコスメ市場全体では、微増または踊り場に来ていると考えることができる。

(総合企画センター大阪「2016年メンズコスメの市場分析調査」P4より筆者作成)

次に、企業別およびブランド別のシェアをみてみよう。下図が企業およびブランド別のトップ5の販売シェアの比率を示したものである。ある意味当然なのかもしれないが、トップ5の企業とトップ5のブランドは順位が前後しても顔ぶれは変わらない。

(総合企画センター大阪「2016年メンズコスメの市場分析調査」P5-6より筆者作成)

メンズコスメ市場の今後の展開と可能性

簡単ではあるが、ここまでで、メンズコスメの市場について述べてきた。次に僕が思うメンズコスメの今後の展開と可能性について述べたい。

下図が2015年度の化粧品総市場とメンズコスメの販売高、化粧品総市場におけるメンズコスメの構成比をグラフにしたものである。
(総合企画センター大阪「2016年メンズコスメの市場分析調査」P4より筆者作成)

まず、第一に化粧品総市場とメンズコスメ市場の差が大きいことに驚くであろう。フェイス分野で約1兆140億円、ヘア分野で4830億円、ボディ分野で1620億円の差がある。これは、男女間の美意識に対する違いや、男女それぞれが持つ特有の悩みの違い等から生じるものであろうが、その差の大きさに驚く。これは捉え方にもよるだろうが、まだまだメンズコスメ市場は開拓の余地があるといえるのではないだろうか。

また、化粧品総市場における販売高順位は①フェイス②ヘア③ボディとなる一方、メンズコスメの販売高順位は①ヘア②フェイス③ボディとなっており、化粧品総市場における販売高順位とメンズコスメの販売高順位では、必ずしも一致しない。なお、それぞれの分野におけるメンズコスメの販売高構成比をみると、とりわけフェイス分野が、3.7%と低いことがわかる。

実感としても、ヘア分野においては、販売の主力となるスカルプケアや、整髪料(ワックス等)はもはや十分に普及していると考えられるし、ボディ分野においても、制汗スプレーや石鹸・ボディーソープ類、シート・ペーパー類といった主力商品も十分に普及してきたと考えられる。

一方、フェイス分野についてはどうであろう。確かに洗顔料やシェービングといった商品群は一定程度普及が進んだと考えられるが、一般的にフェイス分野の主力となりうる化粧水や乳液といった分野はまだまだ普及していないように思う。

もちろん、男性がフェイス分野にてスキンケアを日常的に行うことを想像することは難しいかもしれない。一方で、ある調査では若年男性の約5割弱が何らかのスキンケアアイテムを使用しているという結果が得られていたりと、徐々にフェイス分野におけるスキンケアは拡大の兆候を見せていると考えることもできる。

僕個人としては、今後のメンズコスメ市場は、フェイス分野におけるスキンケア市場の拡大にかかっていると考えている。そして、フェイス分野が持つポテンシャルは、ヘア分野やボディ分野以上に大きなものであり、僕は、どうしてもメンズコスメ市場は魅力的であると考えざるを得ないのである。

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