化粧品の構造と最先端の乳化技術~メンズスキンケア トータルスキンケア保湿ジェル①~

これから何回かに分けて、化粧品(以下、スキンケア商品)の構造や、僕たちがメンズスキンケア商品の製造にあたり採用した技術・成分について説明したい。まず、今回のブログでは、スキンケア商品の基本構造と三相乳化という技術について紹介する。

1.スキンケア商品の構造
スキンケア商品は、大きく分けて①水溶性成分、②油性成分、③界面活性剤という3つのベース成分に加え、それらの商品に特徴を与える④機能性成分、⑤安定化成分、⑥その他成分でできている。

名称 説明
水溶性成分 水やエタノール、BG、グリセリンなどの水に溶ける成分を指す。
油性成分 オリーブ種子油、ミネラルオイル、ミツロウなど、水に溶けず、肌に含まれる水分が外部へ蒸発することを防ぐ成分を指す。
界面活性剤 水と油の仲を取り持つ成分で、主に水溶性成分と油性成分を乳化させる成分を指す。
機能性成分 商品に様々な機能をつけ加え、スキンケア商品の特徴となることが多い。「美容成分」とも呼ばれる成分を指す。
安定化成分 防腐剤や酸化防止剤等の品質向上、品質安定のための成分を指す。
その他成分 香料や着色剤などを指す。

2.界面活性剤とは?その評価
スキンケア商品において基本となるのは、上記3つの「ベース成分」なのだが、このうち水溶性成分と油性成分はなんとなくイメージが湧くだろう。一方、界面活性剤という言葉には、あまり馴染みがないかもしれない。

この界面活性剤という成分は、水溶性成分と油性成分を混ぜ合わせるための成分であるが、一般的にあまり印象の良い成分ではない。インターネットなどで検索すると「界面活性剤は、刺激が強い」といったことや「界面活性剤は、肌のバリア機能を壊す」などの記載がある。

しかし、実際のところ、界面活性剤は、必ずしもお肌に悪いというわけではない。そもそもスキンケア商品に配合される界面活性剤というのは、配合量自体は極微量であり、各化粧品製造会社は、販売開始までに様々なテスト実施し、その安全を確認している。

一方、やはり界面活性剤の配合量が多いものや界面活性剤の種類によっては、お肌に合わない場合があるということも事実である。

3.三相乳化とは?
では、僕たちが採用した技術である三相乳化であるが、これは界面活性剤を使用せずに乳化させる神奈川大学の独自技術である。ただし、求める特性や、安定性・安全性をより一層高めるためなどに界面活性剤を使うケースもある。
(事実、僕たちの商品もより一層安定性を高めるため、界面活性剤を極微量使用している。)

この三相乳化は、ざっくりと説明すると、ごく小さいナノ粒子が油滴に引き付けられることを利用した乳化法で、うるおい成分をナノ化した「モイスチャーナノ粒子」が油滴を取り囲み、水中に分散させる方法である。

この三相乳化を利用することのメリットは、以下の通りである。

メリット 説明
みずみずしい使用感 モイスチャーナノ粒子で乳化するため、ベタツキがなくみずみずしい使用感となる。
高密着性・高保湿性 肌の水分量を増加させ、うるおいを角質層のすみずみまで与える。
肌に優しい 水分保持力が上がり、肌のバリア機能に影響を与えにくく、低刺激な処方開発が可能。
高い耐水性 界面活性剤の乳化とは異なり、汗水などの他の水分との再乳化が生じにくく、肌の保護に優れる。
界面活性剤の使用量を減少 (僕たちの商品がそうであるように)界面活性剤の使用を抑えながらも、自由な処方開発を可能にする。

以上がスキンケア商品の構造と三相乳化についての説明である。次回は、僕たちのメンズスキンケア商品で採用した成分についても紹介していきたい。

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