3Dプリンターをもっと身近なものに【頑張る人応援プロジェクトVol.3】

経歴、社名、そして人柄もユニークであった今回の人物は、3Dプリンター事業を展開するX(エックス)人の株式会社(現:株式会社メルタ) 代表取締役の濱中 拓郎さん。

3Dプリンターと聞いて、皆さまはどう思うだろうか?「名前は聞いたことがあるけど、高そう、難しそう、個人向けでなさそう」というのが多くの声だろう。確かに今までは企業向けがメインであり、個人向けのサービスがほとんどなかった。しかし、そんな業界に「やさしいものづくり」をコンセプトにする3Dプリント会社がある。それがX人の株式会社である。当時は3Dプリンターに関する知見は持ち合わせていなかったにも関わらず、創業に踏み切った。

濱中さんはこう述べる。

3Dプリンターは調理機器でいう電子レンジのようなもの。ボタンを押すだけで調理(製造)ができる簡単な器具なのに、周りが設計とか量産とか難しく伝えていることで遠い存在になっている。本当は個人にとって、身近なものにできるのに。

実際、X人の株式会社(現:株式会社メルタ) では、個人からの受注も多くあり、ウェディングフィギュアやカメラのマウントアダプターなどオーダーメイドした作品を簡単に作ることができる(実例はこちら)。

さらに先日、同社がリリースした「バーチャルろくろシステム」も興味深い(先日、WBSのトレたまでも紹介されていた。)!直感的な操作でろくろの3Dモデルを作り、それを3Dプリンターで実物化するといったものだ。これらを知っただけでも3Dプリンターがぐっと身近な存在になった気がしないだろうか?

3Dプリンターが身近にはなったものの、私は最初に疑問を抱いたことがある。それはなぜ素人から3Dプリンター事業を始めることができたのか?

わずか1時間程度の取材であったが、それは、濱中さんの今までの生き方を聞くと自然とわかった気がする。

家業の服屋では、”自分で何かを作ってお客さんに売ってもいい”というルールがあり、幼少期は絵を描いて小遣いを稼いだ経験がある。こういった環境でビジネスマインドは培われてきたのだろう。そして、社会人になり、ウェブ関係の仕事に就いて半年、まさかの急遽会社が解散となった。仕事を失い、ニートになったが、そこでも自然と自分で事業を起そうと思ったそうだ。そして、約半年の準備期間を経て、ゼロから3Dプリンター事業を展開するX人の株式会社を立ち上げた。実は社名のXは変数で、従業員数に連動した社名というなんともユニークな方式を採用している(現在の会社名は5人の株式会社)。バーチャルろくろ、社名などからもわかるようにこの会社は遊び心を決して忘れない。

世の中を変えるのはいつも「よそ者、若者、バカ者」という名言があるが、まさにこの会社のことではないだろうかと思わずにはいられない。メールがLINEに、馬車が車に変わったように、いつか3Dプリンターが人々の行動を変えるときの中心に濱中さんとX人の株式会社がいることを楽しみに待っていたい。

(聞き手 HOLO BELL山口)
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