生産者・流通業者・販売者に捉われない運営とは!?【頑張る人応援プロジェクトVol.7③】

過去の記事は、以下よりご覧ください。
アイスプラントが砂漠を救う!? 株式会社農研堂
一度は諦めかけた農研堂のバラフ®事業!?~永原さんとの出会いが全てを変えた~

これまでの記事で、アイスプラント「バラフ®」についてや株式会社農研堂(以下、「農研堂」)の歩みなどについて紹介してきた。今回の記事では、農研堂が抱える課題や今後のビジョン、バラフ®がどのような経緯で化粧品の原料となったのかについて紹介したい。

バラフ

「現在、日本で農業に携わるとすれば、生産者、流通業者、販売者の相互関係を超えて事業を行うことができません。しかし、私たちは、この3者の役割に捉われない事業者のロールモデルとなりたいのです。」

現在の日本の農業は、生産者・流通業者・販売者の3つの事業者により成り立っている。それぞれの事業者は、それぞれの役割の中で効率的に分業を行うという仕組みになっている。しかしながら、永原さんによると、この仕組みは非常に効率的ではあるものの、大学等で研究開発された最先端の技術を活用したり、生産者が販売に係るプロモーションを行うなどの役割を超えた活動が行いにくいというデメリットがあるそうだ。

それゆえ、農研堂では、多少非効率であったとしても、そういった役割分担に捉われない事業活動として、佐賀大学を始めとする日本国内外の多くの企業・大学との研究開発や販売促進活動を行っている。

また、下田さんは、そういった取り組みを超えて遠い未来も見据えている。
「私は、いつか自分が研究員の時に従事したバラフ®の栽培を通した砂漠化の防止や予防を実際に砂漠地帯で行いたいと思っています。バラフ®の栽培や活用には乗り越えなければならない課題もまだ多くありますが、そういった問題に丁寧に向き合い、砂漠を目の前に苦しんでいる人や環境を改善したいのです。」

下田さんによれば、バラフ®の栽培・活用は、乗り越えなければならない問題も多いとのこと。しかし、いずれは日本で培った経験やノウハウをもって、かつて研究していた砂漠地帯への応用を行いたいのだ。

「バラフ®の栽培を安定的に行うための課題はまだまだあります。例えば、バラフ®は、夏季の栽培が難しいのです。バラフ®はサラダ野菜として利用いただくことが多いのですが、サラダ野菜の需要のピークは夏なので、この時期にバラフ®の生産量を確保することは非常に難しい。夏季のバラフ®は、根腐れや植物病害が発生しやすいのです。しかし、こういった問題を一つ一つ解決していき、バラフ®をどこでも、どのような季節でも栽培できるようにしたいのです。」

農研堂

筆者は、この一連の永原さんと下田さんのお話を伺い、バラフ®の可能性や永原さん、下田さんの思いに胸が熱くなった。そして、これまでのように農研堂の永原さん、下田さんの二人三脚で、着実に一歩一歩と前に進めていっていただきたいと心から願うようになった。

ちなみにではあるが、こんなバラフ®の化粧品成分としての活用は、どういう風に始まったのだろうか。最後にこの話を紹介して、下田さんのインタビューを締めくくりたい。

下田さんが大学の研究員時代、実験後のバラフ®を片付けているとき、これまで乾燥で荒れがちだった手がサラサラで乾燥しなくなっていることに気が付いた。そこで、その原因を調べていたところ、アイスプラントには、お肌の調子を整える性質があるという事実を知ったそうだ。そして、そうであれば化粧品に活用できるのではないかと考えたのが始まりだった。

そして、実際に化粧品への適用をするため、株式会社東洋新薬のご協力のもと、約1年の歳月をかけ実証研究を行い、化粧品として、商品化に成功したのである。

そんなバラフ®の化粧品成分としての特徴はこのようなものだ。

・バラフ®の葉や茎の表面に付いている水滴のようなブラッダー細胞は塩分や水分の貯蔵器官としての機能があり、高い保湿力を有する。
・バラフ®の持つ天然ビタミンはエイジングケア※に有効である。
・皮膚の水分保持に関与する「アクアポリン」が豊富なため、皮膚の保湿作用および抗シワ作用および、皮膚の水分調節機能およびバリア機能改善作用を有する。
※年齢に応じたお手入れ

(聞き手 HOLO BELL徳山)

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